抄録
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos とハシボソガラスC. coroneの2種類のカラスを用いて,腺胃および筋胃の組織形態を中心に比較形態学的検討を行った.ハシブトガラスの腺胃内表面の面積はハシボソガラスのそれより大きかった.腺胃壁の厚さについて,種差はなかったが,全体に占める腺胃腺層の厚さの割合(相対値)はハシブトガラスの方が大きく,一方,筋層の相対値はハシボソガラスの方が大きかった.ハシボソガラスの筋胃壁はハシブトガラスのそれより厚かった.さらに,ハシボソガラスの筋胃は筋層の厚さの相対値がハシブトガラスより大きかった.両種は共に雑食であるが,胃の形態・組織学的特徴に見られた相違点は,両種の食性の相違を反映しているように思われる.