日本鳥学会誌
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短報
スズメPasser montanusの巣数と建物の新旧度の関係
工藤 璃香天野 健太中川 優奈三上 修
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2018 年 67 巻 2 号 p. 237-242

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抄録
 都市に鳥類が生息することで我々は,さまざまな生態系サービスを受けており,そのサービスを継続的に享受するためには,都市における鳥類の生息情報を集めることは重要である.スズメPasser montanusは日本の都市に生息する代表的な鳥の1つであり,都市にある人工構造物に営巣する.一般に,古い建物に営巣するといわれているが,実際に古い建物に多いかどうかを明確に示した研究は無い.本研究では,建物の新旧度を見た目から判断し,建物の新旧度とスズメの営巣の関係性を見た.その結果,古い建物ほど,スズメが営巣していることが明らかになった.また古い建物はスズメの営巣数に正の効果を与える換気口の隙間がある割合が高いことが示された.
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© 2018 日本鳥学会
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