2024 年 73 巻 1 号 p. 75-79
ハシボソガラスCorvus coroneがオニグルミJuglans mandshuricaを割る際には,高いところから投下するか,道路上にクルミを置いて車が轢くのを待つという行動をとる.ハシボソガラスが,この2つのどちらの行動をとるか意思決定をする際にクルミの硬さは重要な要素だろう.既存の投下実験によりクルミは季節が進むにつれて割れやすくなることが分かっている.もしハシボソガラスがそのことを認識しているならば,季節が進むにつれてより投下によって割る行動を増やすと推測される.そこで北海道函館市において,10月から翌年1月までハシボソガラスによるクルミ割り行動を観察した.その結果,推測通り投下によってクルミを割る行動が観察される比率が増えていた.