日本鳥学会誌
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総説
H5亜型高病原性鳥インフルエンザウイルス感染症の現状と対策
迫田 義博
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2026 年 75 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

H5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが1996年に中国で出現してから28年経過した.家禽農家での対策が徹底されない国々の影響を受け,ウイルスは環境中に漏れ出し,渡り鳥に感染することで大陸を越えて運ばれる事態となった.特に2020–2021年の冬季からは5シーズン連続して日本でもウイルスが野鳥から検出され,家禽農家での発生も後を絶たない.さらにこのウイルスはヨーロッパ,アフリカ,北米にまで渡り鳥を介して拡散し,感染を拡大させている.また野鳥での感染が拡大し,接触したと考えられる哺乳動物からも感染が報告されている.ここ数年の感染状況を考えると,鳥インフルエンザウイルスの自然宿主である野生の水鳥に低病原性鳥インフルエンザウイルスだけでなく高病原性鳥インフルエンザウイルスも永続的に受け継がれていくことが懸念されている.野鳥におけるウイルス感染の監視とできる対策を実行しつつ,家禽と野生動物へ感染の機会を遮断するために最大限の努力が必要である.

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