2022 年 22 巻 2 号 p. 123-135
2007年以来、モンゴルの首都ウランバートル市において大気汚染が社会問題となった。その原因の8割はゲル地区の暖房兼キッチン用燃料(石炭)である。2018年、モンゴル政府は、決議第62号「原炭の使用禁止」で、石炭使用を禁止し、改良燃料を提供した。
本研究の目的は、ロジックモデルをウランバートル市の大気汚染対策に適用し、実態を検討して課題を明らかにすることである。決議第62号のニーズ評価とプロセス評価を行った。プロセス評価で、各政策の因果関係を明らかにし、各政策のアウトカムのKPI指標を設定し、効果を検証した。最後にアウトカムの指標を比較した上で、決議第62号について実施前と実施後の大気質と呼吸器疾病率を比較し、本決議の利点と改善点を明確にした。