本稿は、「プログラム理論(Theory:T)」と「エビデンス(Evidence:E)」と「実践(Practice:P)」との「円環的対話(Circular Dialogue:CD)」(CD-TEP法)を活用し作成した障害者芸術文化活動普及支援ガイドの事例について振り返り、CD-TEP法の現場における形成的評価の促進・定着と、実装可能性について分析・考察を行ったものである。その結果、評価ガイドの開発や活用支援により、普及支援事業の支援センターが評価を事業改善に活かす等、形成的評価の現場における普及がうかがえたが、一方で評価ガイドにおける効果モデルやフィデリティ尺度の役割が薄まるという現象が見られた。また実装科学のフレームワーク(CFIR)を部分的に用いてCD-TEP法の実装性について考察した結果、評価アプローチとしての理念を実践に浸透させるためには、様々な実装上の課題を解決するための体制や仕組みが必要であり、実装を支える技術的支援の重要性が明らかとなった。