日本評価研究
Online ISSN : 1884-7161
Print ISSN : 1346-6151
ISSN-L : 1346-6151
特集:公共部門評価におけるNPMの影響
NPMの展開とその帰結
評価官僚制と統制の多元化
南島 和久
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 9 巻 3 号 p. 3_17-3_27

詳細
抄録

本稿はNPM(New Public Management)1と評価との関係に論及する。ここでいうNPMは、政治学的にいえば20世紀最終四半期に展開した世界的な行政改革の思潮である。具体的にはイギリスのサッチャー政権下のサッチャリズムやアメリカのレーガン政権下のレーガノミクス、あるいはニュージーランドのロンギ政権下のロジャーノミクスがその源流である。とりわけ日本では、行政改革のみならず政策評価の理論的背景として紹介されることもおおい。
本稿は、これらをふまえながら公的部門における「評価」についてNPMの理論的影響があったのか、あったとすればどのような意味であったといえるのかという点を検討する。またこのことを明らかにした上で本稿は、NPM論者として著名なHoodの所説に寄り添いながらNPMが惹起するもうひとつの論点、すなわち「統制の多元化」現象を指摘する。

著者関連情報
© 2009 日本評価学会
前の記事 次の記事
feedback
Top