家族社会学研究
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家族のオルタナティブ―家族研究の挑戦
選択的ネットワーク形成と家族変動
野沢 慎司
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2008 年 20 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

現代は家族形成も家族以外のネットワーク形成も選択化しており,この両者が連動しながら進展している点が家族変動を理解する鍵になる。レズビゲイ家族やコレクティブハウジングの実践は,ステップファミリーなど他の非通念的家族の場合と同様に,選択的な同類結合ネットワークを基盤とした,独自の家族下位文化を形成していると見られる。個々の下位文化は,非通念的な家族観や家族生活を支える制度を提供するが,「ケアの再分配問題」に直面すると,より公的な制度のあり方をめぐって,他の下位文化と競合・対立したり,連携・相互浸透したりする複雑な社会過程を生み出す。家族社会学は,家族変動をとらえる際に,ミクロな個人の家族意識論とマクロな家族制度論だけでなく,その中間にあるこの領域に眼を向けるべきであろう。

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© 2008 日本家族社会学会
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