家族社会学研究
Online ISSN : 1883-9290
Print ISSN : 0916-328X
ISSN-L : 0916-328X
日本の家族の変化とこれから
世帯動態調査からみた家族の現状と変化
鈴木 透
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 23 巻 1 号 p. 23-29

詳細
抄録

国立社会保障・人口問題研究所では旧厚生省人口問題研究所(1939~96年)の頃から世帯動態調査を実施しており,世帯推計のためのパラメタを入手することを主要な目的としている.本稿は主に第5回世帯動態調査(2004年)にもとづき,離家の動向や性差に注目する.分析の結果,晩婚化とともに離家のタイミングが遅れていることが確認できる.また男子の方が結婚前離家が多いため中央離家年齢は男子の方が若いが,このようなパターンは欧米先進国にはみられない.さらに最新の世帯推計に見られる核家族化の減速と逆転にも注目する.単独世帯の増加を別にして,二人以上世帯に占める核家族世帯の割合は2015年まで増加するが,その後は減少に転じることが予想される.こうした変化は,年齢構造と配偶関係の変化によって生じることを示す.

著者関連情報
© 2011 日本家族社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top