家族社会学研究
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配偶者サポートの独自性
—NFRJ08データを用いた計量分析—
大日 義晴
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2012 年 24 巻 2 号 p. 189-199

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抄録

本稿の目的は,配偶者のサポートの代替可能性の検討を通して,個人と配偶者との関係が持つ独自性を明らかにすることである.
具体的には,個人のディストレスへの影響を通して,配偶者のサポートと非配偶者のサポートの有無の効果を検証した.分析には「第3回全国家族調査データ(NFRJ08)」を用い,有配偶者を分析対象とした.分析結果から,配偶者のサポートの効果は非配偶者のサポートの効果よりも大きいこと,また,配偶者のサポートが利用できる場合,非配偶者のサポートの有無はディストレスにほとんど影響しないことが示された.さらに,配偶者のサポートがない場合の非配偶者のサポートの効果については性差が見いだされた.女性においては,非配偶者のサポートが一部については代替していた.このことから,男女いずれにとっても配偶者の持つ意味は大きいが,男性にその傾向は顕著であり,女性は,男性ほどは配偶者への依存度が大きくないことが示唆された.

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© 2012 日本家族社会学会
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