家族社会学研究
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育児期の孤独感を軽減するサポート・ネットワークとは
三谷 はるよ
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2020 年 32 巻 1 号 p. 7-19

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抄録

本稿は,育児期の孤独感を軽減するサポート・ネットワークを検討する.育児期のサポート・ネットワークとwell-beingの関係を捉える先行研究の多くは,クロスセクションデータに依拠し,女性のみを研究対象とし,公的サポートよりも私的サポートに注目するものだった.そこで本稿ではパネルデータを用いて,私的・公的サポートの両方を含むどのようなサポート・ネットワークが育児期の男女の孤独感を軽減するのかを検討した.その結果,精神的・手段的に頼りになる夫や精神的に支えてくれる友人から成るサポート・ネットワークが,母親の孤独感を軽減する傾向が示された.また,精神的に支えてくれる妻やつどいの広場・育児サークルから成るサポート・ネットワークが,父親の孤独感を軽減する傾向も示された.本稿は,父親が父親同士の関係や父子関係を深められる場が父親のwell-beingを良好にすることを示唆する.

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© 2020 日本家族社会学会
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