家族社会学研究
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父親の育児参加と家族関係
父親自身の父子関係からの視点
平川 眞代
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キーワード: 父親, 育児参加, 父子関係
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2004 年 15 巻 2 号 p. 52-64

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抄録
父親の育児参加は社会システムにおいて多様な条件が考えられるが, 本稿では父親の育児参加と家族関係に関し, 父親自身の父子関係に焦点を当てて, 質的調査を実施し分析を試みた。父親役割の変化のもとで, 父親の育児参加の規定要因の一つとしては, 家族の相互作用的要因である父親自身の父子関係があげられる。どのような理由で父親が育児に参加するのかは, 父親の育った環境と関連しており, 父親自身の父子関係から派生する価値観や認識が, 育児参加の規定要因の一部である。つまり, 父親の育児や子どもに関する肯定的, あるいは否定的な認識には, 父親自身の父子関係の影響がみられ, 父親自身の職業, 父親自身の父子関係が主な規定要因として, 現在の育児参加に影響を持っといえる。ここでは, 父子関係により父親を, モデリング型, 埋め合わせ型, ニュートラル型の3類型にコード化した。
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