2005 年 16 巻 2 号 p. 47-60
家族の多面的リアリティに即して, 「ストレス発生の場」としての “おそろしい家族”の側面と, 「ストレス緩和の場」としての家族保健機能の両面から, さらに自分物語を構築するという上での関係性の観点から, 現代家族の意義と意味を検討した。具体的データを参照しつつこの検討を通じて, なぜ夫婦/パートナー, 家族関係が人々の間で「一番大切なもの」と意識されるのかを実利的ならびに意味的観点から論じた。私事化, 高齢社会という社会的背景を考慮すると, 夫婦/パートナー, 家族がコンボイとしてなおしばらくは中核を占めることが考察された。