1997 年 38 巻 4 号 論文ID: jjom.H08-237
日本産,タイ国産,および両国菌株間F1雑種ヒラタケについて,菌糸体培養は22℃で,子実体形成は22℃と15℃の2つの温度下でおこない,培地内CO2濃度変化と子実体形成パターン,及び子実体の形態的特徴を比較した.培地内CO2濃度は日本産,タイ国産とも菌糸体培養期間中は同じパターンで変化した.しかし,タイ国産菌株は22℃でも15℃でも日本産菌株より早く子実体を形成し,培地内のCO2濃度も早く上昇した.22℃栽培区で,タイ国産菌株は子実体を正常に収穫できたが,日本産菌株は正常に発生しなかった.F1菌株群において,培地内CO2濃度変化と子実体形成パターンには親菌株のパターンが分離して現れた.そして,その多くはタイ国産型の栽培特性を示した.