2011 年 52 巻 1 号 論文ID: jjom.H22-05
千葉県船橋市の農場の温室で栽培中のシクラメンの鉢の土壌表面に多数の白色の菌核が発生した.同時に菌核の発生した鉢からまれに小型の黄色のキノコが発生した.この菌核から純粋分離した菌株,培地上で形成された菌核,鉢から発生した黄色のキノコ,保存されていたコガネキヌカラカサタケの標本から DNA を抽出し,ITS,D1/D2 領域の塩基配列を用いて分析した結果,鉢から発生した菌核およびキノコはコガネキヌカラカサタケであることが知られた.すなわち鉢の土壌上に多数発生した菌核は同時に発生したキノコと同一の菌種である事が明らかとなった.これまでコガネキヌカラカサタケの菌核による栽培植物の被害は報告されておらず新しい知見として報告する. 併せてコガネキヌカラカサタケの培地上での性質を記載した.