2021 年 62 巻 1 号 p. 25-30
日本新産Balaniopsis trianguralisについて,福岡県うきは市所在の特別史跡・珍敷塚古墳(屋形古墳群)の覆屋内壁(国産ヒノキ材)表面から採取した2標本に基づき,類縁種との詳細な比較検討を行い,図解を付けて再記載した.本種は2008年発表の原記載(カナダ・バンクーバーと米国ニューヨークの建物内の湿った環境から検出し,新種として記載)以降,初めての記載報告となる.Balaniopsis triangularisは建物内の湿った環境の建材にまれではあるが広く分布し,建材の生物劣化に多少ともかかわっているものと推察される.