音楽教育学
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研究論文
明治10年代~20年代の京都府女学校・京都府高等女学校における音楽教育の展開
丸山 彩
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2011 年 41 巻 2 号 p. 13-24

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抄録

 本稿は, 明治10年代~20年代の京都府女学校・京都府高等女学校おける音楽教育の実施状況について, 当該地の史料から明らかにすることを目的とする。

 京都府女学校では, 1879年から, 『唱歌』を用いた箏曲による教育が開始された。1882年から翌年にかけて, 同校の教員が音楽取調掛において唱歌教育のための伝習を受けている。1884年からは, 同校では「唱歌伝習」が実施された。しかし, 同校は1886年に教員養成機能を師範学校に移管する。その後, 京都府高等女学校と改称した同校では, 随意科として箏曲, 別科の唱歌専修科として声楽及び器楽を学べる環境が整えられる。同校においては, 明治20年代より既に女子生徒が選択して, 日本音楽と西洋音楽をともに学ぶことができたのである。

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