音楽教育学
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研究報告
藤井清水の武蔵野女子学院における音楽教育実践と音楽教育観
─ 藤井の手作り教材と手稿譜の裏面用紙を手がかりに ─
長江 希代子
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2024 年 53 巻 2 号 p. 36-46

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抄録

 本稿は, 藤井清水の武蔵野女子学院における音楽教育実践と音楽教育観について考察する。一次資料として, 藤井の日記と音楽教材掛図作成のための手作りの型紙, 俚謡採譜集, 民謡編曲手稿譜双方に利用された裏面用紙を使用した。藤井の音楽教育実践の特徴は次の三点である。 (1) 手作り教材で楽典の講義をし, 試験問題に出題した。 (2) 歌曲を鑑賞し感想を論述させたり, 合唱や教科書についても論述させたりした。 (3) 歌曲や合唱の音楽教育実践を行った。藤井は民謡の合唱化において, 藤井独自の「日本式対位法」を用い, このためには和声的処理が中心となる男声四部合唱より, 女声三部合唱でポリフォニックに編曲した方がふさわしいと考えていた。その意味で高等女学校は西洋音楽と日本音楽の融合を試す実践の場でもあった。その根底には, 生徒の歌う歌は「生活のうた」であるべきだという音楽教育観を持ち, 理論と演奏を総合化する音楽教育を実践した。

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