産業精神保健
Online ISSN : 2758-1101
Print ISSN : 1340-2862
特集 働く精神障害者への合理的配慮をめぐって
当事者から見て必要な合理的配慮
ソルト
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2023 年 31 巻 2 号 p. 94-98

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抄録

私は一般枠での正社員の転職を7回経験し,8回目の転職で障害者枠での職を手にし,現在に至る自閉症の当事者である.19年間一般枠にこだわって,システムエンジニア,経理職などに就いたが,周囲との人間関係が上手くいかず退職に追い込まれ転職を繰り返した.はじめに,一般枠で就職してから退職に至るまでの経緯について,産業医やキャリアカウンセラーとの相談,カミングアウトにより上司や同僚から受けたパワーハラスメントの実情も含めて実体験を記載した.その次に,障害者枠による現在の職場で得られている合理的配慮について,実際に起こったトラブルと会社側の支援への動きについて述べた.最後に,一般枠と障害者枠に関する,就労のメリットやデメリットをそれぞれの支援体制の違いに着目してまとめ,継続就労を実現するための職業上の課題と対処方法について考察した.そして,ダイバーシティ&インクルージョンに期待を寄せて結びとした.

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© 2023 一般社団法人 日本産業精神保健学会
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