2024 年 32 巻 1 号 p. 147-150
「不妊治療と仕事の両立支援」は,一般的には理解されているものの,身近に起きていることとして体感されていない実態がある.自身の実情を「伝えたいのに伝えられない人」と「伝えることはできるが伝えたくない人」,いずれにおいても患者であることを職場に開示していない割合が高いことから,具体的な施策の必要性を実感できていない職場がある.「不妊治療と仕事の両立支援」は,企業側が支援の実態や必要性を認識していないこと,患者側も治療の開示をしていないことの両面から,取り組みが広がらない状況がある.職場の支援について,企業等の雇用者側,患者側,医療機関側,それぞれの立場で「不妊治療と仕事の両立支援」を行っている3名のシンポジストが登壇し,それぞれの支援の概要を述べた.