抄録
口腔水分計を用いた口腔内湿潤度の測定において, より誤差の少ない測定方法を決定するために実験的検討を行った。実験1では補助装置を用いて人工湿潤面を測定した時の測定値の再現性を検討した。測定圧および接触角度が一定であればきわめて安定した測定値を示した。実験2では補助装置を用いずに人工湿潤面を測定した時の測定圧の違いによる外れ値の出現頻度を検討した。外れ値の出現頻度は測定圧200gと測定圧300gでは有意差は認めなかった。実験3では舌および頬粘膜の湿潤度を測定した時の測定圧や測定部位の違いによる外れ値の出現頻度および出現頻度を考慮した測定回数の採択方法を検討した。測定効率を考慮すると3回測定中央値が妥当と考えた。実験4では実際に患者を測定した時の測定圧や測定部位の違いによる痛みの出現頻度を検討した。舌を測定圧300gで圧接した時に27名が痛みを訴え, 有意に多く測定圧は200gが妥当と考えた。