塩酸セビメリン長期投与例について至適投与期間, 薬剤耐性, 副作用について検討した。対象はシェーグレン症候群症例で塩酸セビメリンを104週以上投与した男性2例, 女性102例で, 平均年齢は63.4歳 (33~81歳) であった。唾液分泌量 (ガムテスト値), 自覚症状スコアともに投与4週後には有意な改善がみられた。唾液分泌量は投与36週後には最大増加量の約85%に達し, 自覚症状スコアは投与24週後には最低下値の約85%までに低下した。また, 唾液分泌量は10ml/10minを超えると増加しなくなった。長期投与による副作用発生率の上昇はみられなかった。血液生化学検査結果では異常値が8例にみられ, 肝臓・胆管系異常が多かったがいずれも軽度であった。以上より塩酸セビメリンは長期投与しても薬剤耐性や副作用の増加がみられない比較的安全な薬剤で, 投与効果判定には約24~36週間必要で, 唾液分泌量の目標は10ml/10minが良いと思われた。
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