日本口腔粘膜学会雑誌
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 桂 智子, 墨 哲郎, 岩井 聡一, 有本 絵美子, 由良 義明
    2007 年13 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    口腔扁平苔癬は原因不明の慢性炎症性粘膜疾患である。この疾患と歯科金属修復物の関連性については数多くの研究がなされてきた。本研究では金属修復物としてアマルガム, インレー, クラウンと口腔扁平苔癬および口腔扁平苔癬様病変の関連性について検討を行った。アマルガム, インレー, クラウンのうち, アマルガム充填患者が有する病変におけるアマルガムに近接した病変が占める割合は最も高かった。クラウン装着患者が有する病変におけるクラウンに近接した病変が占める割合は, インレーの場合よりも高かった。アマルガム, クラウンに近接した病変では病理組織学的特徴として, 上皮細胞間隙が拡大する spongiosis が認められた。金属修復物に近接した扁平苔癬および扁平苔癬様病変の中には, 金属に対する局所的アレルギー反応の関与するものが存在すると考えられた。
  • 酒巻 裕之, 近藤 壽郎, 武田 祥人, 山崎 裕也, 野上 俊雄, 戸邊 真希子, 伊藤 耕
    2007 年13 巻1 号 p. 8-15
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜表層および表層直下組織を接触拡大鏡視し, その性状を詳細に観察することを目的とし, 新たに硬性内視鏡を用いた contact mucoscope を独自に開発した。口腔粘膜の肉眼による観察の後, 開発した contact mucoscope を用いて contact plate を口腔粘膜に接触した所見と非接触鏡視所見を観察した。この装置の開発によって, 口腔粘膜を広範囲に, かつさまざまな病態を接触拡大観察することが可能であった。粘膜に直接接触させることが困難であった前方口蓋粘膜と下顎前歯部の舌側歯槽粘膜以外, すべての口腔粘膜で観察が可能であった。contact mucoscopy は, 口腔粘膜表層および表層直下組織の接触拡大鏡視を行う非侵襲的な検査法で, 口腔粘膜疾患の診断に寄与する可能性が示唆された。
  • 福島 洋介, 古株 彰一郎, 金谷 あゆみ, 堀 直子, 立山 高秋, 佐藤 毅, 坂田 康彰, 小林 明男, 荒木 隆一郎, 柳澤 裕之, ...
    2007 年13 巻1 号 p. 16-25
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    口腔水分計を用いた口腔内湿潤度の測定において, より誤差の少ない測定方法を決定するために実験的検討を行った。実験1では補助装置を用いて人工湿潤面を測定した時の測定値の再現性を検討した。測定圧および接触角度が一定であればきわめて安定した測定値を示した。実験2では補助装置を用いずに人工湿潤面を測定した時の測定圧の違いによる外れ値の出現頻度を検討した。外れ値の出現頻度は測定圧200gと測定圧300gでは有意差は認めなかった。実験3では舌および頬粘膜の湿潤度を測定した時の測定圧や測定部位の違いによる外れ値の出現頻度および出現頻度を考慮した測定回数の採択方法を検討した。測定効率を考慮すると3回測定中央値が妥当と考えた。実験4では実際に患者を測定した時の測定圧や測定部位の違いによる痛みの出現頻度を検討した。舌を測定圧300gで圧接した時に27名が痛みを訴え, 有意に多く測定圧は200gが妥当と考えた。
  • 原 新一郎, 久保 勝俊, 杉田 好彦, 梅林 隆, 森川 真作, 福村 なぎさ, 佐藤 恵美子, 前田 初彦, 亀山 洋一郎
    2007 年13 巻1 号 p. 26-33
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    ラットの歯肉におよぼすヨードチンキとTrp-P-2の影響を検索した結果, ヨードチンキあるいはTrp-P-2を塗布した歯肉に, 基底細胞の配列の乱れ, 細胞の異型性, 有棘細胞の増殖と配列の乱れ, 角質層の肥厚, 基底膜の部分的消失, 上皮突起の不規則な伸長など, 軽度から中等度の上皮性異形成が認められた。その変化は, ヨードチンキ単独あるいはヨードチンキ+Trp-P-2群に比べてTrp-P-2単独群では弱かった。また, PCNA染色においてヨードチンキ単独群あるいはヨードチンキ+Trp-P-2群では対照群に比べてPCNA陽性細胞数は有意に増加していた。
  • 岩渕 博史, 岩渕 絵美, 内山 公男, 藤林 孝司
    2007 年13 巻1 号 p. 34-42
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    塩酸セビメリン長期投与例について至適投与期間, 薬剤耐性, 副作用について検討した。対象はシェーグレン症候群症例で塩酸セビメリンを104週以上投与した男性2例, 女性102例で, 平均年齢は63.4歳 (33~81歳) であった。唾液分泌量 (ガムテスト値), 自覚症状スコアともに投与4週後には有意な改善がみられた。唾液分泌量は投与36週後には最大増加量の約85%に達し, 自覚症状スコアは投与24週後には最低下値の約85%までに低下した。また, 唾液分泌量は10ml/10minを超えると増加しなくなった。長期投与による副作用発生率の上昇はみられなかった。血液生化学検査結果では異常値が8例にみられ, 肝臓・胆管系異常が多かったがいずれも軽度であった。以上より塩酸セビメリンは長期投与しても薬剤耐性や副作用の増加がみられない比較的安全な薬剤で, 投与効果判定には約24~36週間必要で, 唾液分泌量の目標は10ml/10minが良いと思われた。
  • 岩本 修, 中村 守厳, 古賀 千尋, 楠川 仁悟
    2007 年13 巻1 号 p. 43-46
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    抗癌剤のメソトレキセート (MTX)は, 抗リウマチ薬として使用されることもある。MTXの副作用である骨髄抑制の前駆症状に, 口腔粘膜潰瘍が発症することがあり, 注意を要する。患者は71歳女性で, 慢性口腔粘膜潰瘍の治療を行っていた。患者は, 慢性関節リウマチにて約16ヵ月前からMTXを服用しており, 薬剤量を6mgから4mgに減量したところ, 口腔粘膜潰瘍は消退した。
  • 神谷 洋子, 浅田 洸一, 佐藤 徹, 平下 光輝, 石橋 克禮
    2007 年13 巻1 号 p. 47-51
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    血管浮腫は急激に発症し, 一過性の局所の腫脹なので, その浮腫の広がりや特徴をMR画像で観察した報告はまれである。当日 (右側) と前日 (左側) に発症した舌の2つの血管浮腫病変についてMR画像を撮像した。STIR像で右側は均一な高信号を舌の表層と筋層内に認め, 左側では高信号領域は舌粘膜, 筋層にとどまらず骨膜, 咽頭隙に拡大しており, 視診以上の腫脹の広がりを認めた。
  • 藤林 孝司
    2007 年13 巻1 号 p. 52-55
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 2007 年13 巻1 号 p. 56
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 2007 年13 巻1 号 p. e1
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
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