日本口腔粘膜学会雑誌
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エプーリス103例の臨床統計的検討
山本 一彦森崎 歩塩谷 洋史俵本 眞光正田 農夫中谷 善幸桐田 忠昭杉村 正仁
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1997 年 3 巻 2 号 p. 82-87

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抄録

当科で経験したエプーリス103例について臨床統計的検討を行った. 患者は, 男性33例, 女性70例と女性に多く, 年齢分布では20歳代と40歳代にピークがみられた。発生部位は上顎前歯部が最も多く, 次いで上顎大臼歯部, 下顎前歯部であった。病理組織学的に検討しえた96例において, 線維性エプーリスが47例, 肉芽腫性エプーリスが44例, 骨形成性エプーリスが2例, 血管腫性エプーリスが3例であった。線維性エプーリスは肉芽腫性エプーリスに比してやや大きく, 来院までの期間が長い傾向にあった。線維性エプーリスと肉芽腫性エプーリスの中には小さな石灰化物が存在するものがみられたが, これは男性に多く, 線維性エプーリスにおいて頻度が高かった。エプーリスの発生には全身的, 局所的誘因が考えられた。処置として, 切除が99例に行なわれた。このうち20例は原因歯の抜歯も同時に行った。再発は5例に認められ, 再切除を行い再発は認めていない。

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