日本口腔粘膜学会雑誌
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上皮性異形成を伴った口腔白板症の臨床病理学的検討
黒川 英雄友寄 泰樹武田 忍村田 朋之水口 摂美中村 貴司福山 宏高橋 哲
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2001 年 7 巻 2 号 p. 59-65

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抄録

口腔白板症と診断された199例 (251病変) を対象として, 上皮性異形成についてWHOの診断基準にしたがって臨床病理学的に検討した。上皮性異形成は251病変のうち186病変 (74.1%) にみられ, その平均得点は3.3±2.0点であった。上皮性異形成の出現と発現部位とに関連性はみられなかったが, 臨床視診型, とくに紅斑混在型あるいは疣型と関連性が認められた。悪性化は6例 (3.0%) に認められ, WHOの上皮性異形成の診断基準12項目のうち, 項目1, 3, 4, 6, 8が多くみられた。以上のことから, 紅斑混在型あるいは疣型で上皮性異形成が severe な症例では, 悪性化の危険性が高いことが示唆された。

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