2001 年 7 巻 2 号 p. 71-78
本邦においてシェーグレン症候群 (SS) に対する診断基準は1999年に改訂され新しくなった。この際に診断のために必要となる各種検査所見について1次性SS症例と2次性SS症例との間で比較検討した。対象は1996年12月から2000年9月までに獨協医科大学口腔外科を受診し1999年改訂診断基準でSSと診断された91例であった。1次性SSと診断されたのは43例, 2次性SSは48例であった。口腔乾燥自覚症状スコア, 他覚症状スコア, ガム試験, 唾液腺シンチグラフィー, 唾液腺造影検査, 口唇腺生検, Schirmer 試験等, 各種検査所見について検討した結果,1次性SS症例と2次性SS症例との間に統計学的有意差はみられなかった。このことから1次性SSと2次性SSとは同一の基準でSSとしての診断は可能であることが示唆された。