抄録
今回, われわれは Sjögren 症候群 (SS) の患者において, その画像診断法のひとつとして高分解能撮像法による MR-sialography の臨床応用を試みた。本法によれば, 造影剤を使用せずに従来の唾液腺造影法と類似した側面像を得ることができる。同一患者から得られた MR-sialography と従来の唾液腺造影法の画像所見を比較, 検討したところ, 50例中42例で Stage 分類が一致し (84.0%), Spearman の順位相関でrcc=0.885 (p<0.0001) と有意な相関が認められた。また, SS診断に対する感度, 特異度, 精度を求め, 従来法のそれと比較したところ, ほぼ同様の結果が得られた。このことから MR-sialography はSSの診断において, 従来の唾液腺造影法と同様なあるいはこれに代わりうる検査法であることが示唆された。