2021 年 16 巻 2 号 p. 3-10
要旨:
[目的]本研究は周術期実習の研究実績のある手術室看護師と看護学教員が,看護学士課程教育の手術室実習において学生を実習指導する手術室看護師に対して期待する役割について明らかにする。
[方法]周術期実習に関する研究実績のある手術室看護師4名と看護学教員7名に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した。
[結果]分析の結果,研究協力者は【手術室実習環境の準備と調整】として,手術室看護師自身の知識の向上や,学生が学びやすい学習環境の調整を期待していた。また【学生への直接的な手術室実習指導】では,手術看護および周術期看護の継続性の理解促進に向けた支援を期待していた。さらに手術室看護師に対して,看護学教員や手術室スタッフ,手術チームといった【手術室実習に関わる周囲との連携】を期待していることが明らかになった。
[結論]研究協力者は効果的な手術室実習を展開するために,実習環境の事前準備に加え看護学教員や他職種と連携することを手術室看護師に期待していた。また,研究協力者は手術室実習において手術看護に加え,周術期看護の継続性についても理解できるように指導することを期待していた。