日本手術看護学会誌
Online ISSN : 2759-7490
Print ISSN : 1880-4780
原著
大学病院における「手術室看護師ストレス尺度」の信頼性と妥当性の検討
池田 麻美大城 みゆき
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2022 年 17 巻 2 号 p. 163-168

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抄録

要旨:[目的]手術室看護師は,手術という “非日常的なストレッサー” にさらされている。2013年「手術室看護師ストレス尺度7因子32項目」を作成し報告したが,今回この「手術室看護師のストレス尺度」の項目精選および信頼性・妥当性を検討することを目的とした。

[方法]研究同意の得られた全国の国公立および私立大学病院の67施設の手術室に勤務する看護師2,714名を対象に「手術室看護師ストレス尺度7因子32項目」,既存の「職業性ストレス尺度」,「コーピング尺度」,「精神的健康尺度(GHQ-12)」および属性について質問紙調査を行った。分析は記述統計量を算出後,手術室看護師ストレス尺度の因子分析,クロンバックα係数,尺度間の相関を算出し,信頼性・妥当性を検討した。なお,本研究は東邦大学大橋病院倫理委員会の承認を得ている。

[結果]ストレス尺度の項目精選のために共通性が0.4以下を基準とし主成分分析をしたところ,3因子20項目となった。第1因子「経験不足」8項目,第2因子「手術室の環境と医師との関係」8項目,第3因子「看護師間の体験共有不足感」4項目であった。職業性ストレス尺度とは負の相関,コーピング尺度とは相関が認められず,精神的健康尺度(GHQ-12)とは正の相関が認められた。

[考察]7因子32項目で構成された「手術室看護師のストレス尺度」を精選した結果,3因子20項目で構成されることが明らかとなった。また,精選した尺度の信頼性,妥当性も検証された。

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