2023 年 19 巻 1 号 p. 199-207
要旨:[目的]手術室に配属された新卒2年目看護師の職務継続意思要因を明らかにする。
[方法]大学病院に勤務している対象者187名に質問紙調査を実施した。調査内容は,個人属性,労働環境,人間関係,手術看護に対するやりがい・成長の自覚で構成した。各項目は,職務継続意思の有無別にχ2検定またはFisher直接確率法を行った。
[結果]質問紙は159名から回収し(回収率85%),158名の有効回答(有効回答率99.4%)を得た。手術室への配属希望は,「希望した」117名(74%),「希望しなかった」24名(15.2%),「どちらとも言えない」17名(10.8%)であった。手術室への配属を希望した117名のうち,98名(83.8%)は職務継続意思があった。職務継続意思の有無別で有意差がみられたのは,労働環境の「教育体制は充実している」(p=0.035),手術看護に対するやりがい・成長の自覚の「手術看護をとおして達成感を味わうことができる」(p=0.000),「手術看護にやりがいを感じる」(p=0.000),「手術看護は医療の中で重要な役割を果たしている」(p=0.010),「患者から頼りにされている」(p=0.028),「器械出し看護師として患者の急変時に対応できる」(p=0.009),「今よりも手術看護の知識と技術を向上させたい」(p=0.000)であった。
[結論]手術室への配属を希望し,教育体制が充実していると感じ,手術看護に対してやりがいや成長の自覚を持つ看護師は,職務継続意思があることが示唆された。そして,これらが職務継続意思に影響することが明らかになった。