作業科学研究
Online ISSN : 2434-4176
Print ISSN : 1882-4234
第21回作業科学セミナー佐藤剛記念講演
満ち満ちてゆく日常生活:作業の力を引き起こす
ボンジェ ペイター
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2018 年 12 巻 1 号 p. 2-13

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抄録

作業科学や作業療法の文献には,当事者にとって意味のある作業を可能にする目標に向かって,様々なストラテジーから構成されたアプローチが提案されている. そのような典型的アプローチの実施は,当事者にとって健康な生活やウェルビーイングのために,「作業の力」を十分に活用しているかという疑問を生じさせる. 本論文では,行動の中のナラテイィブ(Narrative-in-Action)方法論とトランザクション論(相互浸透論)を媒介(手がかり)にして,人々のおかれている日常の生活とセラピューティック場面から,機会がどのように生じるのかを探る. そのような計画されていない機会を活用することは,人々が病気や怪我の後,自分らしい生活への移行中であるとしても,そして,まだ達成されていない長期的な目標があるとしても,彼らが満足できる生活に近づくだけでなく,むしろ,彼らがそれによって健康やウェルビーイングを経験することになりうる.

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© 2018 日本作業科学研究会
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