作業科学研究
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第21回作業科学セミナー特別講演
リカバリーって何だろう?:意味ある作業と「WRAP®」
増川 ねてる
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2018 年 12 巻 1 号 p. 40-49

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抄録
先ずは、この場に呼んでいただいたことに感謝です!  私にとって作業療法士とは、リハビリテ―ションの分野において、「意味」を扱える唯一の職種。作業療法とは、「意味」にアクセスできるリハビリテーション。そして、ヒトというのは、「意味」なしには生きていけない生き物。 そんな風に考えているので、この場で、「リカバリー」について、そして「WRAP®」について、みな様に話が出来ることを、光栄に、そして大きな好機と思って感謝です!  私は、精神疾患・精神障がい分野における、いわゆる「当事者」です。精神症状が日常的にあり、精神病院への入院体験があります。病気が元で差別偏見を感じたこともありますし、それがもとで居られなくなったコミュニティもあります。市役所でもやな想いをしました。でも、一番ショックだったのは、「現代医学では解明されていないので、治らないかも知れません」と言われた時だったと思います。「これが、ずっと続くのか」 と途方にくれました。19歳の時でした。   でも、今は、ほんといい時代になったと思います。 なぜって? それは、メンタルヘルスのリカバリーに関して、「WRAP®」があるからです。「WRAP®」は、リカバリーした人たちが、自ら開発した、リカバリーのための系統だったシステムです。医学では治せないかも知れませんが、「リカバリーした人たち」 は、現実に存在しています。  そして、実体験に基づく知恵を般化させ、誰でも使えるようにしたもの(それがWRAP®です!)が、存在しています!!「メンタルヘルスのリカバリー」と「WRAP®」。その関係を、私自身や、仲間たちの体験と共にご報告いたします。
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© 2018 日本作業科学研究会
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