抄録
高校生が児童館でボランティア活動をすることで児童館という空間が高校生にとって意味のある場になっていく.そこで,本研究では児童館でボランティア活動をする高校生の作業経験を探索した.三原市児童館でボランティア活動をする高校生 7 名を対象に,半構造化面接を用いてデータを収集し,再帰的テーマティック分析を行った.その結果,児童館でボランティア活動をする高校生の作業経験として,自由と気軽さ,自分に合っている感覚,包んでくれる居心地の良さ,チャレンジによる不安と達成,役に立つうれしさ,将来につながる感覚,児童館への愛着という 7 つのテーマが明らかとなった.本結果から,高校生がありのままでいられ,役に立っていると思えるような場づくりをすることで,児童館が高校生の居場所の 1 つになると考える.また,児童館でのボランティア活動は高校生の世界を空間的に広げ,時間的につなげていると考えられる.