抄録
体格及び体力の発育発達とその要因の一つとしての身体連動との関係を,大学年生の体格及び体力の数項目の測定値と彼等の過去における運動歴との関係でとらえて検討した.すなわち運動歴を調査することにより主に中学,高校において運動部に所属していた期間と時期で標本を分類し,また運動部に所属したことのないグループをまとめこれら各群の体格,身体機能,運動能力の各項目について平均と分散を求めて各グループ間の差異を検定して比較検討した.また経験してきた運動の種類によっても分類して体格・体力の各項目について比較検討した.この結果,運動量の大小により身体形態には特に差異はみられないが,身体充実度には差異がみとめられて長期間運動部活動をしたものの方がすぐれ,身体機能の各項目にも差異がみられ,運動能力の各項目には著しい差異で運動を多くしたものがすぐれていることが明らかにされた.運動の種類によっても差異がみられた.