体育学研究
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四肢の屈・伸筋力からみた各種運動部員の特徴
山崎 武金子 公宥
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1973 年 17 巻 4 号 p. 213-219

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抄録

126人の大学男子運動部員(7種目)について筋力を測定した. 被検筋は肘関節屈筋群, 同伸筋群, 膝関節屈筋群, 同伸筋群である. それぞれの等尺性筋力はバネ式力量計を使い, 関節角90度の位置で測定した. その結果を要約すると次のようである. 1) 一般に, (i)屈筋力対伸筋力の比は肘の場合3対2, 膝の場合1対3であり, (ii)右側肢の筋力は左側肢のそれより多くの場合に1〜2kg高い. 2) 脚筋力(膝屈・伸両筋力を含む)の第1位は陸上(フィールド)で第2位が柔道であるが, 腕筋力ではこの順位が逆転する. 3) 陸上(短距離)選手は全ての筋力値において第3位を占め, 球技(ハンドボール, バレーボール, サッカー)と体操部は下位に属する. 4) 体操は陸上(短距離)と同様に, 体重当り筋力比が高いが, 一方柔道は(特に)体重当り脚筋力比が低い. 5) 下肢の場合, 筋力/肢部囲の比は, ほぼ脚筋力の運動部序列と一致するが, 腕筋力/肢部囲比では異なり陸上(短距離)とハンドボールが高い値を示す, という結果を得た.

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© 1973 一般社団法人 日本体育学会
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