1973 年 18 巻 1 号 p. 31-40
中学校や高等学校におけるスポーツの進路指導や体力増強のための資料を得る目的からスポーツ種目を類型化することを試みた. 九州地区の競技成績の優秀な男子高校運動選手919名を対象に形態, 運動能力, 心理的側面から種々の測定を実施した. 得られた結果はつぎのとおりである. 1. 運動選手は一般高校生に比較して形態, 体力, 運動能力とも優れていた. しかし, 性格面で性格類型では顕著な差はないが, 尺度別では抑うつ性大, 気分の変化大, 劣等感大, 主観的, 活動的という特徴を示した. 2. 形態, 体力, 性格の3つの指標からの37のスポーツ種目をそれぞれ5つの型に類型化することができた. 3. これらの類型化によって, 現在行なわれている多くのスポーツ種目の中で, 各種スポーツの占める位置とその特微を知ることができ, それによってスポーツの進路指導や体力増強のための資料を得ることができた.