体育学研究
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運動による生体賦活度と単純反応時間との関係
舟橋 明男萩原 仁
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1976 年 20 巻 6 号 p. 315-320

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抄録

生体賦活の程度によって, パーフォーマンスがどのように変化するかについては,逆U字型を示すという報告がみられる. 生体の賦活を運動によってひきおこした場合に, パーフォーマンスは逆U字型を示すのか, 示すならばパーフォーマンスが最高を示す時の生体賦活状態が見出せるので, その状態を知る目的で, この研究を行った. パーフォーマンスとしては単純反応時間を選び, 坐位, 運動中(トレッドミルでの歩行として80m/分, 100m/分, 走行として150m/分, 200m/分)にほぼ10秒間に1回の割合で連続測定した. 同時に, 心拍数, その他の生理的機能も連続測定した. 被験者は大学男子8名である. その結果, 心拍数が100bpmのときに, 最も反応時間が短かく, 心拍数が100bpmよりも増加しても減少しても, 反応時間は延長した. いわゆる逆U字力ーブがみられた. 呼吸数は15〜30回/分, 換気量は8〜30ι/分, 酸素摂取量は0.4〜1.2ι/分, エネルギー消費量は2〜8Cal/分の範囲内が最も反応時間の短縮を示した. しかしながら, 心拍数のような明確な逆U字力ーブは, この実験方法からは見られなかった.

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© 1976 一般社団法人 日本体育学会
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