体育学研究
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パラダイム分析からみた日本における体育学研究の動向
カバリ マルセロ藤原 健固
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2001 年 46 巻 1 号 p. 19-33

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抄録
日本の体育学研究は,関連する定期刊行物の数からもわかるように,多くの研究がなされている.大学の体育学部,地方学会,および全国規模の学会において,それぞれ学術研究誌を発行している.しかし,それらの研究論文についてパラダイム分析の観点から研究動向を評価した論文はない.そこで本研究の目的は,日本における体育学研究をパラダイム分析の観点から分析した.その際,1990年から1999年の10年間に発表された体育学に関する論文について,その内容を分析し,3つのカテゴリーに分類した.すなわち,posidvism,interpredve,criticalの3つである.その結果,本研究が対象とした6つの学術研究誌に掲載された818の論文のうち大半の97.56%はpositivism,そして僅かに2.44%がinterpretiveおよびcriticalのカテゴリーに分類された.これらの結果から日本の体育学研究の動向について検討の結果,体育学研究を進めて行く上で,positivismの観点のみならず,interpredveあるいはcriticalな観点をも取り入れた研究が必要であることが明らかにされた.そして,従来のposidvismに偏った研究を脱し,interpretiveおよびcriticalな観点からの研究をも進めることの重要性が指摘された.
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© 2001 一般社団法人 日本体育学会
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