日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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神経芽腫の治療終了10カ月後に11q23異常を伴う急性リンパ性白血病を発症した1小児例
田畑 恭裕納谷 真由美北條 誠小坂 喜太郎日比 成美東道 伸二郎澤田 淳今宿 晋作
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1996 年 10 巻 3 号 p. 169-174

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抄録
神経芽腫 (stage IV a) 治療終了10カ月後に急性リンパ性白血病を発症した2歳男児を報告した.白血病細胞の染色体検査では11q23異常 (MLLの再構成陽性) を認めた.患児は神経芽腫の治療に総量2,700mg/m2のVP16を受けていた.化学療法で寛解に達した6カ月後, HLA一致同胞姉より同種骨髄移植を行い15カ月寛解を維持し経過は良好である.本例では神経芽腫治療のために使用したetoposide (VPl6) が二次性白血病の発症の一因である可能性が考えられた.二次性白血病の報告は骨髄性が多く, リンパ性は稀なので, 二次性リンパ性白血病の報告例をまとめ考察した.
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