抄録
神経芽腫 (stage IV a) 治療終了10カ月後に急性リンパ性白血病を発症した2歳男児を報告した.白血病細胞の染色体検査では11q23異常 (MLLの再構成陽性) を認めた.患児は神経芽腫の治療に総量2,700mg/m2のVP16を受けていた.化学療法で寛解に達した6カ月後, HLA一致同胞姉より同種骨髄移植を行い15カ月寛解を維持し経過は良好である.本例では神経芽腫治療のために使用したetoposide (VPl6) が二次性白血病の発症の一因である可能性が考えられた.二次性白血病の報告は骨髄性が多く, リンパ性は稀なので, 二次性リンパ性白血病の報告例をまとめ考察した.