日本小児血液学会雑誌
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LSA2-L2プロトコールで治療された悪性リンパ腫症例に発症した二次性白血病の2例
市川 正孝花田 良二菊地 陽岡田 周一山本 圭子
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1998 年 12 巻 2 号 p. 126-129

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抄録
二次性白血病の2例を報告した.症例1は原疾患発症時11歳の女児で, 原疾患は非ホジキン悪性リンパ腫 (NHL) であった.6年7カ月後に二次性白血病 (M5a) を発症した.症例2は同じく5歳男児のNHLであった.7年4カ月後に二次性白血病 (ALL) を発症した.2例には, LSA2-L2プロトコールが施行され治療終了していたこと, MDSの時期を経て白血化したこと, -7の染色体異常がみられたこと, などの共通点がみられた.以上のことから2例はalkylating agent関連の二次性白血病であると思われた.わが国ではVP16関連の二次性白血病が盛んに注目されているが, 今後alkylating agent関連の二次性白血病にも監視の目を向ける必要があると思われた.
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