日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 蕁麻疹治療のたどり来し道とこれから
2.物理性蕁麻疹―診断への道すじと難治例への対応―
牧野 輝彦
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2017 年 127 巻 8 号 p. 1751-1755

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抄録

物理性蕁麻疹は皮膚表面の機械的刺激,寒冷曝露,日光照射,温熱負荷,水との接触などにより生じる蕁麻疹の総称である.寒冷蕁麻疹は寒気や冷水にさらされた際に膨疹を生じる蕁麻疹であり,その診断には家族性か後天性か,全身性か局所性かなど系統だった鑑別を要する.また,日光蕁麻疹は太陽光線に曝露した皮膚に限局して膨疹が生じる比較的なまれな蕁麻疹であり,その作用波長は本邦では可視光線であることが多い.一般に日光曝露の回避と抗ヒスタミン薬内服による治療がおこなわれるが,しばしば治療抵抗例を経験する.このような症例に対して近年UVA急速減感作療法の有効性が報告されている.本稿では,寒冷蕁麻疹と日光蕁麻疹に焦点をあて,その診断のポイントや治療について解説する.

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