日本小児血液学会雑誌
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Langerhans cell histiocytosis 27例の臨床像と長期予後について
工藤 寿子堀部 敬三森 弘志松本 公一宮島 雄二吉田 潤宮津 光伸矢沢 武月舘 千寿子松山 孝治
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1999 年 13 巻 1 号 p. 14-20

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抄録
ランゲルハンス細胞組織球症 (LCH) の27例の臨床像と長期予後について検討したので報告する.対象は1978年から1996年発症のLCH27例 (男児11例, 女児16例).発症時年齢は4カ月から96カ月 (中央値17カ月) である.Single system-singlesite (以下SSと略す) 9例, single system-multisites (SM) 7例, multi system-multisites (MM) 11例であった.観察期間は2~20年 (中央値12年) であった.SS2例, SM6例, MM11例の計19例に化学療法を用い, 18例にビンカアルカロイド剤とステロイド剤の併用療法を, 1例に多剤併用療法を行った.5例にエトポシド, 4例にメソトレキセートを投与した.放射線照射は5例に行った.27例全例が生存中であり, 再発を認めたのが13例で, 再発例に後遺症が多く認められた.再発部位は尿崩症 (9例) や頭蓋骨への浸潤 (8例) で再発する症例が多かった.後遺症は10例に尿崩症を認め, 6例に成長障害を認めた.その他に眼球突出の残存, 聴力障害, 下顎歯牙発育不全, 登校拒否, 二次性白血病, モヤモヤ病を各1例に認めた.
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