日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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脳室-腹腔シャントを有する急性リンパ性白血病児における非血縁者間骨髄移植
野中 俊秀太田 節雄嘉藤 邦彦山浦 晶寺岡 菜穂子坂尾 詠子諏訪部 信一野口 靖五十嵐 俊次三浦 信之角田 治美佐藤 武幸新美 仁男
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1999 年 13 巻 1 号 p. 21-25

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抄録
症例は8歳, 急性リンパ性白血病の女児.寛解導入中に細菌性髄膜炎および水頭症を合併した.髄膜炎に対しての化学療法と, 水頭症に対しての脳室-腹腔シャント術が行われた.その間に骨髄再発が認められたため, 再度の寛解導入が行われ完全寛解が得られた.その後非血縁者からの骨髄移植が施行された.前処置として12Gyの全身照射とサイクロホスファミドを用いた.シクロスポリンと短期メソトレキセートをGVHD予防として用いた.患児は良好な生着を得, 現在完全寛解継続中である.本症例の臨床経過は, 中枢神経系の合併症を有する症例への骨髄移植に関して, 有益な情報と思われる.
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