抄録
小児ALLにおけるTEL/AML1遺伝子融合をRT-PCR-Southern法にて検討した.融合mRNAは40例中4例 (10.0%) に認められ, 従来の欧米の報告よりやや低頻度であった.陽性例は, 男児2例, 女児2例, 年齢は2-6歳で, 初診時白血球数は3,200-29,800/μ1であった.いずれの症例もCD10陽性であり, G-banding法による染色体検査でt (12;21) (pl3;q22) を認めたものはなかった.微少残存白血病細胞の検出を試みたところ, いずれの症例も寛解導入後の早期に消失していた.TEL/AMLl遺伝子融合と予後との関連についてはグループ研究など多数例での解析が必要である.