日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
小児急性リンパ性白血病におけるTEL/AML1融合遺伝子の検討
高橋 浩之甲斐 純夫船曳 哲典後藤 裕明生田 孝一郎佐々木 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 13 巻 3 号 p. 164-169

詳細
抄録
小児ALLにおけるTEL/AML1遺伝子融合をRT-PCR-Southern法にて検討した.融合mRNAは40例中4例 (10.0%) に認められ, 従来の欧米の報告よりやや低頻度であった.陽性例は, 男児2例, 女児2例, 年齢は2-6歳で, 初診時白血球数は3,200-29,800/μ1であった.いずれの症例もCD10陽性であり, G-banding法による染色体検査でt (12;21) (pl3;q22) を認めたものはなかった.微少残存白血病細胞の検出を試みたところ, いずれの症例も寛解導入後の早期に消失していた.TEL/AMLl遺伝子融合と予後との関連についてはグループ研究など多数例での解析が必要である.
著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top