日本小児血液学会雑誌
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同種骨髄移植後に経時的に乳房と子宮に髄外再発した急性骨髄性白血病の1例
望月 一弘佐野 秀樹根本 健二伊藤 正樹菅野 弘之菊田 敦大戸 斉鈴木 仁
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2001 年 15 巻 3 号 p. 174-177

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抄録

症例は乳房と子宮に経時的に髄外再発した8;21転座を有する急性骨髄性白血病 (FAB : M2) の13歳女児例.初回寛解時にHLA一致の姉より同種骨髄移植 (allo-BMT) を施行.その23カ月後に乳房に髄外再発したため, 再寛解導入療法とドナーリンパ球輸注療法 (DLI) を施行し, 寛解を維持していた.しかしallo-BMTから37カ月後に再び子宮に腫瘤形成して髄外再発した.再移植を予定して化学療法を開始したが, 敗血症を併発し入院68日目に永眠した.自験例では初回髄外再発時の治療として再寛解導入療法とDLIによる治療を行ったが, 長期的寛解は得られず, これらの治療では不十分であったと考えられた.このような症例には再移植を含めた強力な治療が必要であると思われた.

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