日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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小児急性リンパ性白血病における晩期障害の検討
治療終了後の身長・体重の推移
廣田 貴久鶴澤 正仁藤本 孟男小泉 晶一浅見 恵子駒沢 勝百名 伸之松本 和博関根 勇夫西川 健一柳瀬 卓也太田 茂松下 竹次川上 清三間屋 純一菊田 敦
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2001 年 15 巻 5 号 p. 372-376

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抄録
治療終了1年以上初回完全寛解を維持している小児急性リンパ性白血病215例 (男児140例, 女児75例) の成長障害について検討した.平均初発年齢は4.2歳, 観察期間は平均6.0年で, 治療は小児癌・白血病研究グループALLプロトコールに準じて行った.成長障害は, 身長および体重を診断時から治療終了10年目まで観察し, 標準値からZscoreに変換し検討した.身長は治療終了時は-0.36 SD, 終了5年目で-0.59 SDであった.治療終了7年目の身長は男児で0.16SDに対し, 女児は-1.32 SDと抑制を認めた (p<0.01).体重は治療終了時は0.36SD, 5年目で-0.36 SD, 肥満が治療終了時7.9%に認めた.頭蓋放射線照射と成長障害の関係は認めなかった.急性リンパ性白血病患児では治療終了後, 女児に低身長を認めた.
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