日本小児血液学会雑誌
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Dyskeratosis congenitaにおけるDKC1遺伝子解析
金兼 弘和野村 恵子笠原 善仁岡村 純本郷 輝明矢部 みはる小島 勢二鬼頭 敏幸宮脇 利男
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2002 年 16 巻 2 号 p. 78-83

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抄録

Dyskeratosis congenita (DC) は皮膚の網状色素沈着と爪の萎縮, 粘膜白斑症を三主徴とし, 約80%で進行性の汎血球減少を呈するまれな遺伝性疾患であり, 約90%がX連鎖劣性遺伝形式をとる.1998年にX連鎖DCの責任遺伝子がDKC1と同定され, 遺伝子診断が可能となった.臨床症状よりDCと診断された男児4例のDKC1遺伝子解析を行ったところ, 三人でQ31K, A353V, T357Aのミスセンス変異が同定された.再生不良性貧血の一部にいまだ皮膚症状を発症していないDCが含まれている可能性もあり, DKC1遺伝子解析はDCの患者・保因者診断に有用であるのみならず, 後天性再生不良性貧血との鑑別にも有用である.

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