日本小児血液学会雑誌
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両下肢麻痺で発症した表面免疫グロブリン陰性バーキットリンパ腫の1男児例
濱 麻人工藤 寿子日高 啓量田中 真己人山本 知子谷ヶ崎 博小島 勢二
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2005 年 19 巻 4 号 p. 240-245

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抄録

われわれは, 両下肢麻痺で発症した非典型的バーキットリンパ腫の6歳男児例を報告する.骨髄にはFAB分類でL3様の芽球を多数認め, 表面マーカーは, CD10+, CD19+, HLA-DR+ でprecursor-B cellに一致し, 細胞質内免疫グロブリン, 表面免疫グロブリンおよびL鎖は欠如していた.表面マーカーの結果に基づき, B-precursorリンパ芽球型リンパ腫のプロトコールに従って化学療法を開始したが, その後バーキットリンパ腫に特徴的なt (8;14) 染色体異常が判明したためバーキットリンパ腫のプロトコールに変更した.初回寛解導入療法で寛解に入り, 化学療法を継続しながら6ヵ月間寛解を維持していたが, 化学療法終了1ヵ月後に骨髄再発した.再発時の芽球も初発時と同様の特徴を有していた.非血縁者間臍帯血移植により再び寛解が得られたが, 移植後42日目に末梢血に芽球が出現した.原疾患の進行により, 初発から1年後に死亡した.

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