抄録
小児7モノソミー症候群と若年型慢性骨髄性白血病 (JCML) とは同じ疾患であるか否か問題になっている.小児7モノソミー症候群4例とJCML6例の臨床像を検討し報告した.両疾患は年齢, 性比, 血小板数, 好中球アルカリフォスファターゼスコア, ヘモグロビンFの割合, 血清リゾチーム値, 造血幹細胞の性状等で異なった所見が得られ, 両者は異なる疾患 (disease entity) と考えられた.染色体分析をされてないこれまでのJCML症例のなかに7モノソミー症候群が含まれている可能性がある.染色体の高精度分染法や分子遺伝学的解析を通じて両者の本態が明らかにされるかもしれない.