ALLの治療後に発症した若年性関節リウマチの一例を報告した.患者は6歳女児, 食欲不振, 顔色不良を訴え, 肝脾腫, リンパ節腫強度の貧血にて入院となった.WBC数は25万/mm
3, blast 92%, 骨髄ではparoxydase陰性, PAS陰性のblastが92.3%であり, ALLと診断した.CCLSG high risk ALLプロトコール821Aにしたがって治療, 寛解は導入され, 1985年4月に治療終了となった.1985年10月に足関節痛が出現し, 発赤, 腫脹を認め入院となり, 血液検査, 関節鏡, 滑膜生検にてJRAと診断した.この間行った骨髄検査では, 白血病細胞は認めなかった.われわれはALLとJRA両者の関連について, 興味をもったが, 両者の原因についても明らかに解明されておらず, もちろんのこと, 悪性腫瘍と膠原病の因果関係については不明である.われわれは, 今回本例を経験し, 文献的考察を加えその因果関係について考察した.
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