日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
急性リンパ性白血病の冶療終了後に発症した若年性関節リウマチの一例
杉田 久美子矢追 公一辰巳 和人美濃 真
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 2 巻 1 号 p. 79-83

詳細
抄録
ALLの治療後に発症した若年性関節リウマチの一例を報告した.患者は6歳女児, 食欲不振, 顔色不良を訴え, 肝脾腫, リンパ節腫強度の貧血にて入院となった.WBC数は25万/mm3, blast 92%, 骨髄ではparoxydase陰性, PAS陰性のblastが92.3%であり, ALLと診断した.CCLSG high risk ALLプロトコール821Aにしたがって治療, 寛解は導入され, 1985年4月に治療終了となった.1985年10月に足関節痛が出現し, 発赤, 腫脹を認め入院となり, 血液検査, 関節鏡, 滑膜生検にてJRAと診断した.この間行った骨髄検査では, 白血病細胞は認めなかった.われわれはALLとJRA両者の関連について, 興味をもったが, 両者の原因についても明らかに解明されておらず, もちろんのこと, 悪性腫瘍と膠原病の因果関係については不明である.われわれは, 今回本例を経験し, 文献的考察を加えその因果関係について考察した.
著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top